頸部リンパ節炎
頸部にはもともと大小様々なリンパ節が存在しますが、何らかの原因により炎症を起こしている状態です。のど風邪などの感染症からの波及や、免疫異常によるもの、原因不明のものなど様々です。片側(両側)の首に痛みを伴うシコリや発熱、全身の倦怠感などの症状があります。
消炎鎮痛剤などを用いて経過観察を行います。
唾液腺炎
細菌やウイルスに感染して唾液を出す組織である唾液腺に炎症が起きている状態です。唾石が原因で発症することもあります。
耳下腺や顎下腺に発症することが多く、耳下腺炎だと片側(両側)の耳の前から下側の腫れ、顎下腺だと顎の下の腫れが生じ、熱感、痛みなどの症状があります。
抗生剤などの投薬で治療を行います。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
ムンプスウイルスに感染して耳下腺炎を起こしている病気です。片側(両側)の耳の前から下側の腫れや発熱、熱感、痛みなどの症状があります。幼児~小学校低学年くらいの小児に多く見られます。
文字通り感染しやすく、基本的には腫れや発熱が落ち着くまで自宅安静となります。
予防にワクチン接種が有効とされています。
唾液腺腫瘍
唾液腺に腫瘍が出来てしまった状態です。主に耳下腺や顎下腺に発症し、良性の腫瘍である場合がほとんどですが、稀に癌が発見されることもあるため注意が必要です。
CTや超音波検査、組織検査などで診断し、場合によっては手術が必要となります。
甲状腺腫瘍
甲状腺腫瘍とは、甲状腺に腫瘍が出来てしまった状態です。首の付け根のあたりにシコリが見られます。
良性の腫瘍であれば経過観察を行いますが、悪性の場合は手術が必要となることがあります。
超音波検査やCTなどを用いて確認し、精査が必要であれば紹介など検討いたします。
顔面神経麻痺(Bell麻痺)
顔面神経麻痺とは、神経の炎症によって顔の片側の筋肉に起こる突然の筋力低下や麻痺の状態です。目を閉じにくい、水を飲むと口から漏れるなどの症状があります。今のところ原因は特定されていませんが、単純疱疹(ヘルペス)が関係していると考えられています。
内服で治療を行いますが、麻痺が強い場合は入院での治療をおすすめしています。
ハント症候群
ハント症候群とは、顔面神経麻痺(Bell麻痺)と同様に顔の片側の麻痺症状に加えて、耳や頭のピリピリした痛み、めまい症状が見られます。
内服で治療を行いますが、麻痺が強い場合は入院での治療をおすすめしています。