アレルギー性鼻炎について
様々な治療が可能です
アレルギー性鼻炎には、「通年性のアレルギー性鼻炎」と「季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)」の2種類があり、花粉症に関しては日本国民の4人に1人と言われています。
どちらも治療も、原因となる物質を回避することが大切です。
患者さんの症状や、環境に合わせて治療方法をご提案いたします。
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通年性のアレルギー性鼻炎
ハウスダストやダニなどによって、一年中の鼻炎症状がある場合。
対策
- よく掃除をする
- よく布団を干す など
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季節性のアレルギー性鼻炎
スギやヒノキ、イネなどによって、春や秋の決まった時期のみ鼻炎症状がある場合。
対策
- マスクやメガネの着用 など
薬物療法
その他の治療法と併用して
症状の改善を目指します
症状や生活環境に合わせて内服薬や点鼻薬などを組み合わせて治療を行います。ただし、治療を中止してしまった場合、症状への効果は無くなります。
複数の組み合わせでも症状が改善されない場合は、その他の治療を行います。
手術療法
当院で医療用レーザーを用いた治療が可能です
レーザー治療は特に花粉症よりも、通年性のアレルギー性鼻炎があり、鼻づまりが強い方におすすめの方法です。手術は日帰りで行えます。
症状が強い時期に手術を行うと効果が出にくいため、原則、症状が弱い時期(シーズンオフ)に手術を行います。
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1 局所麻酔
鼻の中の麻酔を行います(約20分)。
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2 手術
医療用レーザーを用いて鼻の中の下鼻甲介という部分の粘膜を焼き縮めます(約10分)。
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3 手術後
手術後1~2週間は腫れなどの症状が見られます。
医院での処置が必要となりますので、ご受診ください。
舌下免疫療法
アレルゲン免疫療法の1つです
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となるアレルゲンが含まれた治療薬を長期間、少量ずつ体内に取り入れます。徐々に濃度を高めていくことで体質改善をはかり、アレルギー症状を緩和させることを目指す治療です。
「スギ花粉症」と「ダニ抗原に対するアレルギー性鼻炎」が舌下免疫療法の対象となります(服用前に確定診断が必要です)。
治療の対象者
このような方が対象です
- スギ花粉症患者
- ダニアレルギー患者
※他院で検査したことのある方は結果をご持参ください。
治療を受けられない方
- 重症気管支喘息をお持ちの方
- 65歳以上の高齢者
- 妊婦、授乳中の方
- 非選択的β遮断薬を内服している方
- 全身性ステロイド薬を内服している方
- 悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全の方
治療の開始時期
スギ花粉症の場合:
花粉の飛散時期(1月~5月)は、治療を開始できません。
ダニ抗原に対する
アレルギー性鼻炎の場合:
いつでも治療を開始することができます。
治療の効果
舌下免疫療法治療薬シダトレンが発売される以前に、この治療を受けられた方々の国内臨床試験結果によると、シダトレンによる舌下免疫療法を約2年間行った方266人のうち、約6割の方が、花粉症の症状が軽くなり、約2割の方が、ほとんど症状が出なくなると報告されています。
診療の流れ
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1 診察・検査
問診や検査を行います。
スギ花粉症やダニアレルギー症、ハウスダスト・カビ類など、その他のアレルギー反応の合併の有無を診断します。
※後日、改めて説明をさせていただく場合もあります。 -
2 医院にて投薬
舌の下に薬をいれ、1分程度保持し、その後溶けた唾液を飲み込みます(飲み込んだ後、5分間はうがい・飲食は禁止です)。その後、院内にて安静に過ごしていただきます。30分経過後、再度診察を行い、治療による副作用がないことを確認し、今後の治療についてご説明いたします。当日は、時間に余裕を持ってご来院ください。
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3 2回目以降
2回目以降は、毎日ご自宅で行っていただきますが、1週間は経過観察を行います。
2週目以降は、問題がなければ舌下液の量や濃度を上げ、投薬を続けていただきます(月に1回の受診となります)。
※治療の効果を判断するためには、最低でも半年必要です。また治療の効果をより実感していただくためには、3年以上の治療継続が必要となります。